幼児のような大人と分別を弁えた子供のエピソード

以前、ご紹介したエピソードかも知れません。

最近は幼児以下の大人がいたり、その逆に大人顔負けの幼児がいます。
私が実家に行った際にいつものようにバスを利用した時のことです。

バスの優先席

たまたま座席が一つだけ空いていたためそこの腰を下ろすと、次の停留所で幼児とバギーカーに乗せた乳児を連れた若いお母さんが乗って来ました。
私は立ち上がり、お母さんにどうぞと席を譲ろうとしましたが、「大丈夫です」と固辞されるので、幼い男の子に「じゃ、ボクが座りなよ」と奨めるとその子は「ボク、体力あるから大丈夫!」とニッコリして答えました。

この親にしてこの子ですね。
少し先のバス停でこの親子が下りる際に、バギーカーを降ろすのを手伝って上げると、バスが走りだしても親子で頭を深く下げて謝意を表していました。
自己中の人が目立つ昨今ですが、こういう母親と幼児ながら躾のできた子がいることに爽やかな気持になりました。


もう一つは、多摩川の河川敷を散策していた時のことです。

多摩川河川敷

水遊びをしていた小学生低学年のちびっ子たちと出会いました。
昆虫好きの私が河川敷に生息しているコニワハンミョウを撮影していますと、彼らが近寄って来て、「なにがいるんですか?」と尋ねます。

四つ木橋の夕暮れ

私が、コニワハンミョウという小型のハンミョウがいるので写真を撮っていると教えると、感心したような顔をして探し始めました。
ハンミョウという虫は俊敏で近づくと飛び去り、素手で捕まえることは難しい相手です。
小型のネットを私が持っていましたので、これ使ってごらんと貸してあげました。
子供は覚えるのが早く、そこそこの数を捕まえたようでした。

そして私の処に戻って来て「ありがとうございました」をネットを返却し、捉えたハンミョウをすべて逃がしています。
私が「せっかく採ったのに、逃がしちゃうの?」と聞くと「うん、取っちゃうと数が減って絶滅しちゃうでしょう。だからキャッチ&リリースにしているんだ」・・・

う~ん、こんな子供からキャッチ&リリースなんて言葉を聞くとは思いもよりませんでした。
大人たちの中には採れるだけ採って、虫なんか採集したぐらいで絶滅なんかしっこない、環境破壊が諸悪の根源みたいなことを言う人は少なくなく、乱獲しても心が痛まない人も存在します。
こんな小さな子供たちの方が、よっぽどしっかりしてるじゃないかと大人を代表して恥ずかしいと感じました。


昨今は、アベるという言葉があるようで、「バカ過ぎる、他人の話が聞けない、聞かれたことに答えない&ごまかす、自分に相容れないと執拗に相手を攻撃する、強い者にはへつらい弱者は容赦なく切り捨てる」ことを総称して言うようです。
この語源になっている人は、今何故かソーリをやっていて、しかも高い支持率だそうで、とてもあり得ないことだと思います。

幼児のような大人が戦争法を作り、分別を弁えた子供たちが長じて派兵される・・・こんなバカなことが許されていい筈ありませんよね。


四つ木橋の夕暮れ