一度失った生態系は元には戻りません

見頃の花見客で賑わう井の頭公園で、池の水を抜く「かいぼり」が行われたのことです。

「かいぼり」とは農作業を行わない冬に、灌漑用のため池の水を1ヶ月程干したり、ヘドロや土砂を取り除く作業だそうです。
池の水質改善や外来生物の駆除を目的に、あと2回行う予定とのこと。

モツゴやニゴイ、ギンブナ、テナガエビ等の在来生物は保護し、オオクチバス(ブラックバス)やブルーギル、アメリカザリガニ、ミドリガメ当の外来生物は駆除の対象となります。

全体の6割を占めていたとされる外来生物の駆除をしたそうですが、完璧な訳ではなくさらに「かいぼり」による弊害も今後表面化するのではないかと思われます。


そもそもブラックバスやブルーギル、アメリカザリガニ、ミドリガメにしても人為的に持ち込まれたり放たれたものです。
その時点で生態系は崩れ、従来とは違う生態系のスタートが余儀なくされ今日に至っています。

今回「かいぼり」により外来種を取り除いても従来の生態系を取り戻すのは容易なことではないと思います。

新潟県の佐渡で日本産トキが絶滅し、中国からトキを取り寄せて繁殖させて野に放ってもそれは日本産トキが復活したことにはなりません。


自然保護のずさんさおよび安易な放流が日本の各地の生態系を脅かしていています。

かっては珍種オオクワガタも棲息していた井の頭公園の生態系が、危うい現状に直面していると思います。