今、私たちが優先することは五輪なんかじゃない。

私は基本的にテレビは見ない、ただ家族と一緒の食事の時などにどうしても眼に入ってしまうことは多い。

気のせいか五輪関係のニュースが多いと感じる。
いや気のせいなんかではなく、明らかに増えているだろう。
リオ五輪が日本選手の頑張りで、思いの外メダルラッシュとなったから致し方ない面はあるとは認識している。

アベノミクスは間違いなく失敗であろう。
でも頑として認めず、「いまはまだ道半ば」「エンジンを最大限にふかせる」等の詭弁を続けている。
当然のようにマスメディアも追求しない。

五輪加熱報道には度を超えた「国威発揚」が込められ、かってナチスが五輪を最大限に軍事利用したことは有名な話である。
現内閣の閣僚が「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気づかなかった。あの手口に学んだらどうかね」と発現し、物議を醸した。
歴史的な独裁国家を築いたナチス政権の手法をマネたり意識したりするのは、どう考えても気持ちいいものではない、というよりやってはならない。

「一億総活躍」「働き方改革」個人の自由に国が強く干渉をする戦前の国家主義の兆候がこのところ顕著になってきている。
オリンピック憲章では「オリンピック区域内では、いかなる種類のデモンストレーションも政治的、宗教的、人種的プロパガンダも禁ずる」と定めているし、競技の趣旨も国家間の競争ではないと定めている筈である。

この精神が保たれない五輪であれば、もはや五輪を今後継続して開催する必要もないであろう。
前述したようにリオでの日本人選手のメダルラッッシュは頑張ったアスリートたち努力の賜であり、在任中の首相の功績ではないのである。
不成績で終わると、叱咤されたり謝罪をさせられたり、まるで兵士のような扱いであるように思えてくる。
これがアマチュアスポーツの祭典であるのだろうか・・・

配偶者控除をなくすことが検討されているようだが、専業主婦は家庭内の子育てを含めて後方支援をしていることの理解が甚だ足りないと思う。
限度を気にせずに働きなさい~過半数が不正規労働者であり、子供を預けることもできない状況でどうするのか。
やがて40歳未満も介護保険料の徴収が検討されるだろう。
生活は苦しくなる一方なのに、防衛費は倍々ゲームであり本題である東京五輪の費用は底なし、そして社会保障はどんどん削られていく。

本来の精神を失った五輪に巨額をかけ、いたずらに国威発揚を煽るのはもう止めてしてはどうだろうか?
海外援助等自体を否定はしない、しかし困っている自国民を差し置いてやることではない。
自国民の生命や暮らしを守るために徴収された税金なのだからだ。